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芸術鑑賞日 ~高校生~2023/11/02

本校では、深まりゆく秋を感じながら芸術を堪能する「芸術鑑賞日」が設けられています。毎年、高校生は本校大講堂で多様なシャンルの芸術に触れます。中1は鎌倉探訪、中2は矢来能楽堂で能・狂言鑑賞、今年の中3は東京宝塚劇場で月組公演を鑑賞しました。研ぎ澄まされた魂に触れる感慨深い1日です。

高校生の芸術鑑賞会は、「東京芸術座」をお招きして『12人の怒れる男たち』の公演を鑑賞しました。本校記念館大教室のステージが1950年代のニューヨーク街のビルの一室となり、夏の暑い午後の濃密な時間が創り出されました。

被告人の18歳の少年の命を巡って展開する、12人の陪審員の白熱した議論。舞台を鑑賞した生徒たちからは、「1人だけが死刑を反対した。大多数意見に流れるのが一般的だが、命がかかった大きな判断において、意志を貫いたことの尊さを痛感した。」「他人同士である陪審員たちの話し合いを通して、思いがリアルに響いてきた。登場人物1人ひとりの人生が想像された。」などの感想が寄せられています。このような「1人で立ち向かう勇気」「最後まで諦めない強い意志」「偏見にとらわれない冷静な判断力」「真実を見極める力」といった各人が受け止めたメッセージへの言及や、「演技の迫力」「表現行為の魅力」「全体を俯瞰して見られる演劇の面白さ」などの舞台芸術への感想まで、鑑賞後の感慨が伝わってきました。

また、公演後には陪審員第4号を演じられた笹岡洋介様に、本校演劇部生徒からの質問にお答えいただきました。衣装や舞台装置といった仕掛けに対する考え方や演出の工夫、表現者としての身体の使い方や生き方の姿勢・心構え、表現活動のコミュニティーの広げ方(リーダーとしての心の持ち方)、表現することの意味などたくさんのアドバイスを頂戴しました。次々と湧き上がる質問に、一つひとつとても丁寧に熱い言葉でお答えいただき、貴重な時間となりました。